亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
長方形の巨大な赤い石。……綺麗、という度合いを既に越した怪しい輝きを放っていた。
透けている石の中は、時折ゴポッ…と気泡が上がっている。
揺らめく赤い輝き。
埃一つ被っておらず、傷も汚れも全く無い。
ここに眠るのは、亡きフェンネル王52世………狂王。
そして……………罪の無い、数え切れないくらいたくさんの、たくさんの…命。
「………綺麗な墓……」
赤い碑石の周りには、六年経っても枯れずに咲き乱れる花の群れ。
これは王への花であって、彼等へ向けられたものではない。
52世の名が刻まれた碑石の元へ歩み寄るべく、低い大理石の階段を昇った。
歴代の王は皆……謁見の間に自身の墓を築こうなどとは考えなかった。
城の周りの丘に、彼等は眠っている。
スッと……ローアンは剣を頭上に上げ、柄に両手の指を絡ませた。
銀の刀身は、小さな闇を纏った。
「―――やり直しましょう。御祖父様」
透けている石の中は、時折ゴポッ…と気泡が上がっている。
揺らめく赤い輝き。
埃一つ被っておらず、傷も汚れも全く無い。
ここに眠るのは、亡きフェンネル王52世………狂王。
そして……………罪の無い、数え切れないくらいたくさんの、たくさんの…命。
「………綺麗な墓……」
赤い碑石の周りには、六年経っても枯れずに咲き乱れる花の群れ。
これは王への花であって、彼等へ向けられたものではない。
52世の名が刻まれた碑石の元へ歩み寄るべく、低い大理石の階段を昇った。
歴代の王は皆……謁見の間に自身の墓を築こうなどとは考えなかった。
城の周りの丘に、彼等は眠っている。
スッと……ローアンは剣を頭上に上げ、柄に両手の指を絡ませた。
銀の刀身は、小さな闇を纏った。
「―――やり直しましょう。御祖父様」