亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――お前を殺すまでは」
―――ビュッ…と空を裂いてきた切っ先。
………瞬間、キーツは唯一自由な両腕を伸ばし。
……何の躊躇いも無く、見事、白き閃光を掴み取り、そして。
「―――………死ねないんだああぁ………!!」
純白に光る、重い重い剣を、父の剣を。
両手で握り締めて。
―――天に向かって、突き刺した。
両腕に感じる、肉と骨を断つ生々しい感触。
生暖かい、青黒い血。
包み込もうとしていたイヨルゴスの牙は、前にも後にも………動かなかった。
ただ、震えていた。
痛みに耐える様に。
『―――――ア゛………………ア゛………オア゛……………っ…………………………』
…………キーツの長い剣は、イヨルゴスの口内から上顎を貫き………。
…………鋭い切っ先は、額の黒い魔方陣の中央まで貫いていた。