亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「名門貴族だからって理由で妬む野郎が面倒でな~。ああうぜぇうぜぇ……こっちから闇討ちしてやろうか…」
「………あの………ものの数分でだいぶ人格変わった気が…」
がらっと口調や雰囲気が豹変……素に戻ったらしいオーウェン。
首をごきっと回しながらぶつぶつと小言を呟く彼の後ろを、キーツはなかなか追いつけずに走ったり歩いたりしていた。
アレクセイはその更に後ろに、のんびりと続いていた。
螺旋階段を上がると、石碑のある薄暗い広間に出た。
「―――…ここは静かで良いよな……なあ…キー坊」
「待って。それ僕?止めて。キーツです」
くりくりした左右異なる色の目で睨むキーツに、オーウェンは意地の悪い笑みを向けた。
「ハハ、冗談だ。―――…見ろよ、この石碑」
薄明かりに照らされた、巨大な石碑。
壁にめり込んだ黒い石碑には、古代文字とは異なる、銀の不可思議な文字がずらりと刻まれていた。
明かりに反射してきらきらと輝く銀。
………左側から横に読むらしいが………何と書いてあるのか分からない。
過去、様々な学者がこの石碑の文字の解読に生涯を費やしてきたが、今だに分かっていない。
「………あの………ものの数分でだいぶ人格変わった気が…」
がらっと口調や雰囲気が豹変……素に戻ったらしいオーウェン。
首をごきっと回しながらぶつぶつと小言を呟く彼の後ろを、キーツはなかなか追いつけずに走ったり歩いたりしていた。
アレクセイはその更に後ろに、のんびりと続いていた。
螺旋階段を上がると、石碑のある薄暗い広間に出た。
「―――…ここは静かで良いよな……なあ…キー坊」
「待って。それ僕?止めて。キーツです」
くりくりした左右異なる色の目で睨むキーツに、オーウェンは意地の悪い笑みを向けた。
「ハハ、冗談だ。―――…見ろよ、この石碑」
薄明かりに照らされた、巨大な石碑。
壁にめり込んだ黒い石碑には、古代文字とは異なる、銀の不可思議な文字がずらりと刻まれていた。
明かりに反射してきらきらと輝く銀。
………左側から横に読むらしいが………何と書いてあるのか分からない。
過去、様々な学者がこの石碑の文字の解読に生涯を費やしてきたが、今だに分かっていない。