亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
…………つまり…………幼い頃の………小さな村の風景や親しい人々の姿……それらの記憶は全て…………。
「…………私の…トウェインの自覚も全て……………作られた偽物……」
身体が震えた。
言い知れない不安と困惑。もはや自分さえ信じられない。今の自分は………偽物なのだから。
「………滑稽だな…………ふふっ……ふはははは…………!」
………総隊長は…………クライブは声を上げて笑った。
楽しくて仕方無い。
この男がこれほど笑みを浮かべ、饒舌なのは………今まで見たことが無い。
「…………いつ殺しても良かったのだが………………我慢をしていて正解だったようだ………………………………………時が来たのだ。……………城が……城の封印が解ける時が……………お前がようやく役に立つ時がな………!」
クライブはおもむろに片手で剣を抜き、切っ先を大理石の床についた。
切っ先を中心に、小さな亀裂が走る。
………クライブは肩を震わせて………不気味な笑みを浮かべていた。
「………次の襲撃の日だ……………この戦争が始まってからちょうど六年となる日…………お前が成人となる……王位につける日だ」