亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………ふと……トウェインは顔を上げた。



大きく見開いた、透き通るスカイブルーの瞳。



クライブを映した瞳はゆらゆらと揺れ動き………。














温い涙を溜めていた。












「私は…………………………………………………感謝しています」







声は震えていた。

恐怖とか、不安とか……そんなものに左右されているわけではない。

ただ純粋に……………溢れてくる感情に従っただけ。















「……………………………私…は…………………………………………………本…当に……」













………憎むべき相手なのに、何故だろうか。










思い出すのは何故か………ここで過ごしてきた日々の記憶だけ。




大きな手や、大きな背中。





それだけが頼りで………追いかける毎日。









いつも側にいて、いつも見てくれていて。







繋いだ手は暖かくて。








呼んでくれる声は優しくて。













何も無い自分にとって……………この人はまるで………。




















まるで。



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