亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「……………………………………………………………………嬉し………………かっ…………た…………」
―――嬉しかった。
作られた人格でも、芝居でも。
これだけは……………本物だから。
偽物の記憶でも…………………私にとっては………私自身であることに変わりないから。
トウェインは頬を伝う涙を拭い、姿勢を正し………………敬礼をした。
無言のクライブに向かって最高の敬意を持って。
…………泣きながら、微笑を浮かべた。
「……トウェイン=フロイア……退室致します。…………失礼致しました」
床に刺していた剣を“闇溶け”で消し、トウェインは背後の扉に向かって踵を返した。
「……………………………………開城した後…………お前は用済みだ………………」
クライブの低い声がぼそりと聞こえた。
………トウェインは何も答えずに、部屋を後にした。