亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――」
燃える様な赤い瞳が、再度真っ直ぐ近付いて来た。
………!
……トウェインははっと我に帰り、反射的に顔を逸らした。
しかし、ジスカは容赦無くトウェインの顎を上げさせ、再度真上を向いた途端、貪る様に口付けされた。
「―――!?……んっ……!!」
抵抗しようにも、両手は掴まれ、ソファに押しつけられていた。
深い口付けで何度か唇が離れる度に、ジスカの熱い吐息がかかる。
「―――んんっ………………はっ………ジス……カ…!?」
トウェインの口内に、ジスカの舌が荒々しくねじ込まれた。
………身体が何故か熱い。頭がぼうっとする。力が入らない。
「………………はっ…………ジスカ……!!…………止め………………っ……!?」
どちらともつかない唾液が糸を引く。
ジスカは間髪入れず、トウェインの首筋に舌を這わせて来た。
ざらりとした感触。
奇妙な悪寒に似た感覚が全身を駆け巡った。
………そんな中、ジスカは押し殺した様な低い声で、やや興奮気味にぽつりぽつりと囁いていた。
「―――なぁ…お前………本当に細いな…………………………柔らけぇ…………」