亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
リストの攻撃が効いたのか、巨体の動きがぎこちなくなってきた。
更に追い討ちをかける様に、リストは短剣を構えようとした。
……途端、足元から地面の下を通って来たらしい化け物の触手が、ビュッと堅い地盤を突き抜けてリストに伸びた。
何でも貫いてしまいそうな尖った触手は、リストの両手の短剣を払い落とした。
そしてそのまま、触手は真直ぐに額の目へ…。
「………っ!!」
間一髪のところでリストは大きく後退した。鋭利な触手の先は何も貫くこと無く、リストの前髪を数本切り落としただけに止まった。
宙をクルクルと回り、リストは獣の様に四肢で地面に着地した。
「―――……ガアアアアア……!!」
口元から牙を覗かせ、化け物を睨み付け、威嚇する姿は、野獣のフェーラそのものだった。
額の目はギョロギョロと瞼を押し上げ、化け物を映した両眼は、赤くらんらんと鈍い光を放っていた。
リストはそのままじりじりと移動し、化け物の動きを仕切りに見張る。
「―――何だありゃ……!?」
「……分からん。……苦戦している様だ…第2師団!弓兵を集めろ!背後から援護をする様に!!」
丘の上から、オーウェンとキーツは真下での戦闘を目にした。
更に追い討ちをかける様に、リストは短剣を構えようとした。
……途端、足元から地面の下を通って来たらしい化け物の触手が、ビュッと堅い地盤を突き抜けてリストに伸びた。
何でも貫いてしまいそうな尖った触手は、リストの両手の短剣を払い落とした。
そしてそのまま、触手は真直ぐに額の目へ…。
「………っ!!」
間一髪のところでリストは大きく後退した。鋭利な触手の先は何も貫くこと無く、リストの前髪を数本切り落としただけに止まった。
宙をクルクルと回り、リストは獣の様に四肢で地面に着地した。
「―――……ガアアアアア……!!」
口元から牙を覗かせ、化け物を睨み付け、威嚇する姿は、野獣のフェーラそのものだった。
額の目はギョロギョロと瞼を押し上げ、化け物を映した両眼は、赤くらんらんと鈍い光を放っていた。
リストはそのままじりじりと移動し、化け物の動きを仕切りに見張る。
「―――何だありゃ……!?」
「……分からん。……苦戦している様だ…第2師団!弓兵を集めろ!背後から援護をする様に!!」
丘の上から、オーウェンとキーツは真下での戦闘を目にした。