亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~




………あの静かな、寂しい王の間に……











…………彼女も…。









「―――なあ、ルア…」

城の姿を見据えたまま、キーツはルアの背中を撫でた。


「―――あの城に…お前の御主人がいるのが………分かるか…?」








………彼女はあの夜………死んだ。



………未だに、信じられない。


………今でもあの日々の様に……城の裏手にある花畑の手前にいる様に思えてならない。


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