亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~




繋いだ手は、暖かった。


冷たさなど無く、むしろ少し熱いくらいで。


















「―――………………………っ…!………はぁ………は………………あ…………あっ…」












かかる吐息は、湿り気を帯びていた。



…………顔から火が出る程恥ずかしくて、俯せになったのを……今更後悔した。




「…………っ…!」




……少し前から熱く、敏感になっていた肌。


……寝台に緩やかに流れる髪の隙間から露わになった項に、肩に、唇が落とされ、ざらりとした舌が這った。



耳元に掛かる吐息は、だんだんと乱れていく。


ゾクゾクとした感覚が、撫でられる背中から全身に伝わる。








「―――………顔…見せて………………ローアン………」

「……………はぁっ…………あ……」

もう何がなんだか分からない。

恥ずかしくて死にそうで……寝台に顔を埋めて激しく首を左右に振った。


「………ローアン…」






低い甘美な声がそっと囁かれるや否や、背中の中程までずらされていた衣服に手を掛けられ、そのまま腰まで下ろされた。


………ゆっくりと覆いかぶさる、熱い身体。

その手は寝台とローアンの身体の間に滑り込み、押しつけられていた小振りな胸を揉みしだいた。


ビクンと震え、シーツをギュッと掴んだ。

自分の声とは思えない様な甲高い声が漏れる。


下から持ち上げる様に揉まれ、頂きの飾りを指先で弄られる。



その度にビクビクと身体は震え……可愛い、可愛いと、連呼される切ない声が、耳を犯す。


………ぼんやりとしていたら仰向けにされ…………………。


……………ローアンは喘ぎ続けた。


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