亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
そう呟くや否や、ローアンを乗せたビーレムは走り出した。
………後方から兵士達の声が聞こえる。
閉まっていた街の門を軽々と飛び越え、ビーレムは明かり一つ無い闇の中を疾走した。
あの城を………封印を、解かなければならない。
眠っている城を覚醒させなければならない。
………それが出来るのは、自分一人。
何の役にもたっていない、この自分だけ。
変えなければ。
告げられた神の言語は、私自身へ投げ掛けられた言葉だ。
私が何をすべきかを、意味した言葉。
たった一言だけ。
冷たい闇を切り進みながら、ビーレムの速度を上げた。
城まではかなり距離がある。
今日という日だけしか、機は無い。
時は待ってくれない。
時計の針が明日へと移る前に。
その前に。
………まだ夜は始まったばかりだ。
ローアンは目を瞑った。
瞼の裏に、あの青白い文字が……焼き付いている。
神は、言ったのだ。
―――『革命を』