そして、君のもとへ。~トマトときゅうり番外編~
 
 久しぶりですね、と言った


 その柔らかい声が


 もっと聞きたいと思った


 けれども返せたのは会釈だけ


 貰ったお茶を黙って飲んだ


 少し首をかしげて


 君も黙って立っている

 
 あの香りが広がって


 お茶の味なんか判らない


 
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