飴のち、×××【完】



やってしまった……。


とぼとぼと玄関へ向かう私の鞄の中には文庫本が二冊。


返しに行ったのに冊数が増えているのは、当然借りたからで。


まあ、本当は借りるつもりなんてこれっぽっちも無かったんだけれど。


図書室に入ってすぐの所にある新刊コーナーに目がいってしまい。


気がつけばご丁寧に司書さんの紹介文がついている本を手にとっていた。


……結局、それともう一冊、表紙に惹かれてしまったものを借りてしまった私。


図書室を出た時、外はもう土砂降りの大雨で。


私は本を返すだけでさっさと帰ればよかったと激しく後悔した。



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