♥恋と事件簿♥
課に戻ると、窓から駐車場を見下ろして時間を潰した。
ストリームは洗車する暇がないせいか、黒い筈が、砂や埃で白っぽい所がチラホラ。
昔はピカピカだったのに。
休みの日は必ず洗車してたっけ。
…汚しちゃったよ。
空は雲一つない快晴。
悠呀はまた、会いに来てくれないのだろうか。
夢に出て来てくれるだけでも良いのに。
「主任、戻りまし……姉貴?」
「ごめ、な……;;」
吐き気が込み上げたものの、戻って来た斗真へと振り返った。
「う゛っ…!;;」
「あああ゛ッ!!;;」
しかし、動いたせいか目の前に居た斗真の手に、吐いてしまった。
「と、ま君ドンマイ;;」
「貰いゲっ……;;」
「アホかこの姉弟!!」
斗真が私につられて吐くと、七星たちが離れた。
どうしようか悩んで居ると、課長が呆れたように課長室から出て来た。
どこか怒ってて、どこか優しい。
ティッシュを取り、私の手や顔を拭いてくれた。
「課長、貰い――…」
「早く片付けろ」
「すみません;;」
斗真が繰り返し汚い言葉を並べようとした瞬間、課長は鋭く睨んだ。
私をソファーに座らせると、斗真とそそくさと汚物を片付け、窓を全開。
臼杵が水とおしぼりを持って来てくれる。
私は水を飲み干し、おしぼりで手を拭いた。