遠距離恋愛
夜―

あっという間に一日が過ぎた。


ケータは、せっせと最後の用意をしている。


ケータのお母さんも一緒になって慌てて用意を手伝っていた。


「ケータ!着いたらすぐに連絡するんだよ!危ない道には行かないこと!あっちにはヤス君いるんだし、分からないことは聞くんだよ!?」

お母さんは、ケータを心配して色々まくし立てている。

「分かったよ、大丈夫だって!それより絶対ギターを大切に送ってよ!割れ物注意で!」

ケータはお母さんの心配をよそに、ギターの心配をしている。


(ケータは照れてるんだなー)

あたしは目の前の光景が家族らしくってほほえましく思った。


「エーコちゃん、明日空港まで見送りよろしくね。私達、仕事で行けないから…」


ケータの両親は自営で喫茶店をしている。

どうやら、お母さんは空港まで見送りたいみたいだが、お父さんが「そんなの必要ない!」と言ったみたいで、見送りにこれないそうだ。

きっとお父さんも寂しいんだろう。

けれど男同士だし、恥ずかしいのもあって見送りを辞めたんだろう。

これまた、父親と息子の関係らしいなぁと思った。


「エーコちゃん、写真撮ってもらって良い?」

おばさんは、ケータイを渡すと、ケータの横に並んだ。

「なんでだよ!写真なんていらねーよ!」

とケータは照れて嫌がった。

「いいじゃん!ケータ並びなよ!はい、撮りま〜す!!」

ピロリロリン♪


写メはバッチリ。


「ありがとうね。じゃ、エーコちゃん後よろしくね。ケータ、ちゃんと忘れないように荷物詰めなさいよ!」

そう言うと、おばさんは部屋を出ていった。

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