遠距離恋愛

そんなケータとあたしは、音楽の話しで盛り上がった。

「ケータ君ギター弾けて良いなぁ〜！！あたしギタリスト憧れなんだ〜！！カッコイイよね！」

ケータは決まって照れ笑いをし、「そんな俺は凄くねーよ」と言う。


「ジミ･ヘンドリックスはやべぇよ〜！天才っつーか神だな！なんであんなギター弾けるんだろ…あいつの展開は予想がつかない！センス有りすぎ。」


ケータの憧れのギタリストの一人、ジミ・ヘンドリックス。

あたしとケータは、よくジミについて語り合った。

「いつか…ジミみたいに世界中の人に聴いてもらえるギタリストになりてぇなぁ」

決まってケータは溜息をつく。


「ジミは、死んで何十年経った今も尚、世界中の人から愛されてるもんね。凄い事だよ…でもきっとケータ君も頑張っていけるよ！」

そして決まってあたしはケータを励ました。


「難しいけどな…俺なんて…うまくねぇし…」ケータは落ち込み、目線を落とした。


「ケータ君のギター聴かせてよ！！マジ聴きたい！！もうそろそろ良いでしょ〜？？」


いつもあたしはケータにギター聴かせろ！と頼んでいた。

ケータは恥ずかしがり、いつも断ってきた。


が…この日はそうでなかった。