遠距離恋愛
車に戻り、山道を下りる。

「ボブ・ディランに変えよ」

ケータはCDを変え、準備を整える。


途中に車一台、路駐出来るスペースがあった。

そこに車を止め、エンジンを切る。

静かな空気の中、ボブ・ディランの独特な歌声だけが響く。

沈黙が続き、どちらも声を出そうとしなかった。

「なんか、照れる。」
あたしは照れ笑いをしながら呟く。

「さぁ、エーコちゃん秘密は!?」

ケータの奴…すでにあたしが言うように誘導している。

「だから〜ケータ君が言ってよ〜!男でしょ!」

そう言うと、ケータはいじけてしまった。

「女の子ってさ、『男だから告白するもの』って言うよね。俺、女の子から告られた事ないのに…」

そんな寂しい事言われたら、あたしが言うしか無いじゃないか。

だったら、あたしがケータに『初めて告白する女』になってやろうじゃないか。

「よし、じゃ言うよ!!」

気合いを入れて、大きく息を吸い、吐いた。

「よ〜し!!」

「言うぞ!!」

「次こそ…!」

あたしは5分程これを繰り返した。

恥ずかしい…あたしは面と向かって告白をしたことが無い為、最高に緊張していた。

「も〜!!次こそ!!」

あたしは汗ばむを手を握り、震える声でポツリと呟いた。

「…好き」
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