遠距離恋愛
「すげ〜なぁ!こんな綺麗な所とは思わなかった!夏なら外でバーベキューもいいよなぁ、川あるし。」

ケータは両腕を空高く伸ばし、背筋をグッと反らす。

「ね〜!それ良い!来年の夏は…」

と言いかけて口を濁した。

しまった…来年の夏にはケータはいないかも知れないのに…

また一人、胸がざわつく。

気が付けば、なんだか素直に楽しめない自分が居る。

今楽しくたって、来年は居ないんだ…そう考えてしまう。

どんなにどんなに、考えちゃ駄目だとわかっていても、常にそういう風にしかを考えられない自分が居た。


(今は今を楽しまなきゃ。)

そう言い聞かせて落ち着かせる。



一体、いつになったらあたしの心は言うことを聞くんだろう。
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