好きになってごめん
「いい!一人で立てる!!」


差し出された手を払い除けて、あたしは立つ。


嬉しいくせに素直じゃないから、あたしはすぐこんな態度をとっちゃうんだ。


……でも、たぶんアイツはあたしが好き。


これは勝手な思い込みなんだけど。


今まで、アイツは告白してきた全ての女子を振ってたから。


すんごいモテんのに全員振るんだよ?


でもだから、あたしが好きなのかな?って思ってるんだ。


それか、好きな人がいないのか。


そんなことをいつも考えてる。


ずっと一緒のアイツが物凄く好き。
大好きなんだ。


「んだよ。可愛くねーな」


「可愛くなくて結構ですー。あんたの手なんか借りなくても自分で立てるもん」


あたしはさっきの人に謝って歩き出した。


「あ、待てよ!」


そう言ってあたしの後を追ってきた。










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