龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
欲しい!

っていうか、貰えなかったらガッカリする!

彼女じゃなくても欲しいっ!


うわぁ……何か、壮絶

そういうもの?


「これで分かったでしょ? バレンタインデーは、女の子にとっては決戦。男の子にとっては、プライドを賭けた戦いの日なのよ」


は……はぁ……


松本さんの演説に、わたしは圧倒されてうなずいた。


「まだ一月だとか思ってるんじゃないでしょうね?」


思ってる


「もう戦いは始まってるのよっ!」

目の前に人差し指が突き付けられた。

「中途半端な愛情表現は、相手に対して失礼極まりないわ!」


「よ、よく分かりました。精一杯頑張らさせていただきます」


「よろしい!」


松本委員長――いや、もはや軍曹としか呼べないわ

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