龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
それよりタイツのはかせ方なんて、どこで知ったのよ

キャー! 膝まででいい!

後は自分でやるったら!

っていうか、後ろ向いててっ!


「ねえ、髪ひどい?」


「僕は後ろを向いてるはずじゃないのかい?」

もう! こっちが悪戦苦闘しているのに、圭吾さんったら笑ってばかり。

「サッと梳かせばいいよ。後は朝食が終わってからやればいい」


「圭吾さん、楽しそうね」


「楽しいよ。君が突然やって来て、毎日が輝くように鮮やかで」

圭吾さんは身を屈めてわたしにキスをした。

「君は可愛いいし、僕だけのものだ」


「圭吾さん」

「ん? 何?」

「首にキスマークつけるのやめて」

「髪で隠れるよ」


本当に?


「行こう。遅れたくないんだろ?」


絶対に見えるところにつけられたわ


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