【短編集】君に届いてほしいから─冬─





「あー…ねえ。」


「はいっ?」



ただ…どうしても気になることがあった。


「…マフラーの質問ってなんだったの?」




「あー…」



彼女は片眉を下げて困ったように笑う。


朝の通勤通学の時間にガラガラなこの電車にはいつも退屈な時間が流れるけど。



今日はいつもより穏やかな気がする。




「私、前に1回この電車でたぶん並木先輩のこと見かけて。その空色のマフラーが印象的だったんです。」




いつもより早い電車だからか、それとも彼女の落ち着いた声が響いてるからかはわからないけど。






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