【短編集】君に届いてほしいから─冬─
…─彼女の目に俺が映ってたことがある。
それがなんだか嬉しかったのは事実で。
彼女を嫌いなんてどうしても思えないし、だからといってこれを恋愛感情と呼べるのかは微妙だけど。
でも彼女と話してたおかげか朝の召集がめんどくさいなんて気持ちはいつの間にか消えてた。
むしろ朝の仕事があってよかったとも思った。
昨日よりも俺が、彼女を知りたいと強く思ってるのは隠しきれないからさ。