君とこんぺいとう
「あの、里中に聞きたいことがあるの」
私は観念して里中を見上げた。
「なんだよ、改まって」
面白がるように里中は私をのぞきこむ。
「前に彼女いないって言ってたでしょ?」
「え…ああ。いないけど」
「好きな人とかはいるの?」
私の質問に里中は固まった。
「なんでそんなこと聞く?」
逆に質問されて私も固まってしまった。
(ここは正直に言うしかない…)
適当に言い繕うこともできない不器用な私は
松田さんから聞いてほしいと頼まれたことを白状した。
「なんだ、そっか」
「うん…ごめん」
私が謝ると里中は笑って言った。
「小川が謝ることじゃないよ。
松田さんには悪いけど俺、好きな子いるから」
「そう…」
「お、花火始まるぞ」
里中の声に私は顔を上げて空を見た。
最初に一発大きな花火が上がった後
何発もの花火が夜空を彩った。
「きれい…」
私はそれまでのことを全部忘れて花火に見入った。
「ほんとにきれいだな…」
横を見ると、私と同じように
花火に見とれている里中の姿があった。
私は花火を忘れて里中を見つめた。
(里中は好きな子、いるんだ)
その横顔を見つめていた私の胸に
高校の時の切ない気持ちが一瞬よみがえった。
里中は視線に気づいて私を見た。
私は観念して里中を見上げた。
「なんだよ、改まって」
面白がるように里中は私をのぞきこむ。
「前に彼女いないって言ってたでしょ?」
「え…ああ。いないけど」
「好きな人とかはいるの?」
私の質問に里中は固まった。
「なんでそんなこと聞く?」
逆に質問されて私も固まってしまった。
(ここは正直に言うしかない…)
適当に言い繕うこともできない不器用な私は
松田さんから聞いてほしいと頼まれたことを白状した。
「なんだ、そっか」
「うん…ごめん」
私が謝ると里中は笑って言った。
「小川が謝ることじゃないよ。
松田さんには悪いけど俺、好きな子いるから」
「そう…」
「お、花火始まるぞ」
里中の声に私は顔を上げて空を見た。
最初に一発大きな花火が上がった後
何発もの花火が夜空を彩った。
「きれい…」
私はそれまでのことを全部忘れて花火に見入った。
「ほんとにきれいだな…」
横を見ると、私と同じように
花火に見とれている里中の姿があった。
私は花火を忘れて里中を見つめた。
(里中は好きな子、いるんだ)
その横顔を見つめていた私の胸に
高校の時の切ない気持ちが一瞬よみがえった。
里中は視線に気づいて私を見た。