君とこんぺいとう
トクン。

きれいな瞳と目が合った瞬間、私の胸が高鳴った。

そのまま視線をそらせなくなる。

「小川…?」

(どうしよう…
私、忘れたと思ってたのに…)

昔抱いていた気持ちが徐々に膨らみ
私は自分の心の殻にヒビが入る音を確かに聞いた。

「あ…あの、もうそろそろ戻らないと。
松田さんたちが心配してるから」

無理やり視線をそらすと、やっとのことで私は言った。

「戻らなきゃダメか?」

里中はつぶやいた言葉に
喧噪のなかで時が止まったように感じた。

「え…?」

「ここで2人で見ちゃダメか?」

里中はふっと笑うと言った。

「目がまんまるだぞ。花火より丸い」

「だって…里中が変なこと言うから」

私は自分の顔が赤くなるのを感じて
周りが暗いことに感謝した。

「別に変なことじゃないだろ。
小川と2人で見たいと思ったんだ」

里中を見て、私は言った。

「里中、好きな子いるんでしょ?
そういうこと誰にでも言うと誤解されるよ」

今度は里中が目を見開いてジッと私と見た。

「お前…まだ分からないって本当に鈍感…」


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