黒。
    ★ルキア★

僕はルナが大好きだ。姉弟愛とか、そういうのじゃない。これは…恋?

あ、禁断の恋って訳でもない。そもそも僕らは実の姉弟ではないのだ。
でも姉さんは…ルナは、それを知らない。僕も言いたくない。ただ、普通の弟として、普通にイジめられて、普通に可愛いがられていたかったのだ。
…前までは。


「おいしい!!!!」
笑う。素直に、君は笑う。だめだ、最近の僕はおかしい。心臓が高鳴る。自然と僕も笑顔になる。
「それは良かった。」
「ねーねー、ルキアの好きな人ってさあ、スッゴく可愛いんだろうねルキアはイケメンだもんね〜」

最初は焦った。イケメン…。そんなことないよ、って言う前に、僕はこんなことを言ってしまった。
「うん。すごく…世界一、可愛い人だよ!」
そうだ。ルナは本当に可愛い。
「でも…私の前ではイチャつき過ぎないでね!」


…!!!!一瞬頭の中が真っ白になる。冗談だと分かっていても…。
顔が赤くなってゆくのが自分でもよく分かる。次に頭の中がある言葉で真っ黒に塗り潰された。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ……

「ごちそうさま!!」
その言葉で僕は我にかえった。
「…アレ?ルキア、熱でもあるの?顔赤いけど…」そう言って僕の額に額をくっつけてくる。顔、近いよ…っ!こんなの今まで普通だったのに。顔が余計に熱くなる。

やはりこれは…恋、か。

全てのしたくが終わり、ルナが玄関を出る寸前、僕はルナの制服の裾を引っ張ってみた。呼び止めてみたかった。そして次に僕の口から出た言葉は、自分でも想像を絶するものだった。
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