極上お姫様生活―2―【完】
「聞いてないぞおおおお!!!」
寮に帰ってきたあたしたちを待っていたのはだんだんと地団駄を踏む遥登君だった。
橘君も櫻田君も同じように不機嫌な顔をして腕を組んでいる。
「あれ……みなさん、どうしたんですか?」
恐る恐る声を掛けるけど、みんなは答えようとしなかった。
「おい!」
焦れったく思ったのか、斎が一喝する。最初にしぶしぶ口を開いたのは、橘君だった。
「お前らが学校に来ないから松神先生に理由を聞いたんだよ。しつこく迫ったら教えてくれた」
「蒼空の家に行っていたらしいな、しかも二人で」
みんなは、自分から相談したくせに結局何も言わないで勝手に家に行った事を怒ってるみたいだった。
「俺らはそんなに頼りねぇのかよ」
「そんなんじゃありません……っ」
頼ってないわけじゃない、心配掛けたくなかっただけ。
「蒼空の事よく知ってんなら分かるだろ、こいつはお前らに迷惑掛けたくないと思ったんだよ」
斎があたしの代わりに答えてくれる。