屋上で

告白しなかったのは、さらに彼女がイジメられないため。


人目を避けて声をかけていたのは、少しでも彼女の気持ちを楽にするため。



さっきは俺が無責任な事を言った。


冷時が声をかけたぐらいでイジメなんて…起こるわけない。



きっと彼女達は――…




｢冷時は真面目で良い奴だ。ヘタレなんかじゃねぇ。だけどそうだな…今からでも遅くねーんじゃねーか？｣



｢茶一……？｣




きっと彼女達はこの真っ直ぐな想いに気づいてたんじゃないだろうか？




｢あの波里って奴にもう一回アタックして、それでもダメならよく連んでるダチに協力してもらえよ。な？｣



｢ありがとう、茶一。話して良かった。
もう、後悔はしたくない。茶一に言われて目が覚めた｣




そうして冷時が笑った。
あの、冷時が微笑んだんだ。俺に対して。




俺はこの日から、冷時への見方が変わった。




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