屋上で


【冷時side】




「俺は、皆が想像してるイメージとはほど遠い。今ので理解してもらえたと思う」





俺は一度深呼吸して、




「だから皆に俺の惨めな姿を見てもらって実証しようと思う。

俺は今までにたくさんの女子をふってきた。たくさん…傷つけてきた。…それに彼女も傷つけた事がある。


だから、もう1度この大勢の前で告白する」





今度は俺の番だ。


今まで散々波里が俺を避ける事を言い訳に俺は逃げていた。



ザワザワとざわめく体育館。



だけど俺にはもう関係ない。


茶一に言ったんだ。もう、後悔しないと。


こんな無愛想でろくに楽しい話も出来ない俺なんかと付き合ってくれる唯一の友人に誓ったんだ。
あの誓いは嘘にしたくない。


全部は語らなかったけど、少なくとも波里には分かってもらえたと思う。


俺が狡い奴だ、と。



俺は壇上から降りて千春の場所まで向かう。
こんなに大勢の女子が居ても千春の位置だけはすぐに分かる。



もう、この気持ちを我慢するのもやっぱり出来ない。


何と言われようと、誰に飽きられようと、俺は千春が好きなんだ。
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