屋上で
俺は彼女の手を引き、もう一度あの舞台へ戻る。
皆の視線が集まる中、俺は千春にもう1度告白をした。
「千春、俺はずっと千春が好きだ。
……俺は持田と千春を一緒にさせたくない。
俺の隣に居て欲しい」
俺はは90度に頭を下げた。
誰も笑うものはいなかった。空気が張りつめているのが分かる。
「へぇ、彼氏が隣にいるのにそんなことするの?」
千春ではなく、持田の声。
いつの間にか持田が壇上に上がって来ていた。
「俺はいずれお前から千春を奪う。
俺が幸せにする」
今度こそ。
重い、非道だと蔑まれたって構わない。
彼女が幸せならと綺麗事なんて述べられない。
何年、何十年かけても構わない。
――――千春が傍に居てくれるなら、非道な事でも鬼畜な事でも何でもしてやる。
それ程、彼女が好きだから。
「頭、あげて?冷時?」
顔を上げると彼女が泣いていた。
「!
…何で泣くんだ?
振られてるのはこっちなんだ」
「違うよ。風上は振られてないよ」
「…持田?」
どういう事だ?