屋上で


突然、頭を押さえられ、鈴木にキスされた。


渚みたいじゃなく本気で、だった。




す、ずき…?




――これはきっと鈴木が私から岡野さんを遠ざけるためにしてくれてること。


一番嫌な思いをしてるのは鈴木だ。


だから、鈴木が良いと思うまで恥ずかしいけど拒んだりしたらダメだ。



それが私に出来る精一杯。




「はぁー…もう良いわよ」




そこで漸く鈴木が唇を離す。




「だから言っただろ?」




「そうね…見ていて気分の良いものじゃなかった。
でも、…どうしても確かめたかったから」




「そうか、それは残念だったな。
じゃあな。約束は守れよ」




「分かってるわよ」




そう言って岡野さんは悔しそうに去って行った。




岡野さん、鈴木が好きだったんだろうなぁ…
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