屋上で


彼女が何を思って了承したのかは分からないが…とりあえず俺って付き合ったことねーしな、家呼んで…何すりゃ良いんだ?




「さ、茶一君!電話終わったから一緒に食べよ!」



「茶一で良いよ」




「うん!」




へぇー良い顔で笑えんじゃん。



よし、俺は抱き締めることにした。




「ハンバーグの作り方教えてくれてありがとうな」




「そ、そんなっ…
私はただ……」




「俺が言いたかったのはそれだけだ。飯、食おう!」




「う、うん…」





カチャカチャ




「「………」」




……何か会話しねぇと。


食器の音だけが空しく響く。




「…なぁ、俺ってお前と話したことある?」




悪いが俺は全く記憶になかった。


男子はともかく、クラスの女子ですら、うろ覚えなのだ。


まして他クラスは…無に等しい。
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