年下のカノジョ~あの子は高校生~
「そんな勘を働かせる暇があったら、ソースの一つも覚えろ」
 すれ違いざまにペシッと頭をはたいてやった。

「さ、厨房行くぞ」
 すっかり着替えを済ませた俺はすたすたと歩き出す。


「あっ、三山さん。
 待ってくださいよぉ!」


 呼び止める声を無視して、俺は更衣室を出て行った。






 俺に追いついた赤川が更に話しかける。

「その子・・・・・・ええと、柏木さんて言いましたかね。
 5時からバイトに来るはずですから見てくださいよ」
 情報屋のごとく、赤川が言う。


「なに?
 採用決定したのか?」
 俺は驚いた。

 いくら人手不足とはいえ、人を見る目に厳しい山岸さんが即決するとは・・・・・・・。


「はい。
 マネージャーが喜んでましたよ。
 即戦力になってくれるって」

「あっそ。
 なら、わざわざ見なくても、そのうち顔会わせんだろ」
 大して興味ない相づちをして(実際、興味ないんだけど)、厨房に続く大きなスイングドアを開けた。




「おはようございます」
 中に入ると、公介叔父さんと山岸さんがクリスマスメニューの食材発注の最終確認をしていた。


「おはよう、正和君」

「おはよう、三山さん」

「おはようございます。オーナー、山岸さん」
 二人に歩み寄った。
 
 叔父さんの手には何枚もの発注書が握られていた。


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