年下のカノジョ~あの子は高校生~
 しばらく彼女を検分しているうちに、俺は目がくらんできた。

 どういう訳か彼女が輝いて見えたのだ。
 

 車のヘッドライトのように、目が痛くなるような光ではなく。

 淡い薄明かりのような光の帯が彼女を取り巻いている。



―――な、なんだ、この光は?
  くそっ、これが“溢れる若さ”って奴かっ!?
 
 しぱしぱと瞬きをしているうちに、女性二人はすぐ近くまで来ていた。



「水田さん、三山さん。
 彼女が柏木さんよ」
 山岸さんが一歩横に動き、少女を紹介する。


「柏木 由美奈です。
 16歳です。
 よろしくお願いします」
 簡単な挨拶と共に、ペコッと頭を下げた。


「デザート担当の水田です。
 どうぞよろしく」
 隣に立つ水田がすっと手を差し出し、彼女と握手をした。


「もしかして、この店の洋ナシのタルトは水田さんのお手製ですか?」
 柏木さんが尋ねる。

「そうだよ」
 俺と同じくらい長身の水田が、わずかに微笑みながら柏木さんを見下ろす。


「私、ここの洋ナシタルト大好きなんですよぉ。
 いつも2個は食べちゃいます。
 わぁぁ、作っている人にお会いできて光栄です!」
 感激ではちきれんばかりの笑顔の彼女。


「あ・・・・・・。
 ど、どうも」
 正面きって褒められる事に慣れていない水田が、照れまくりながら礼を述べた。 



―――なんか、笑顔がさっきよりもまぶしくなったな。
 

 俺は更にまばたきを繰り返す。


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