年下のカノジョ~あの子は高校生~
「もっと現実を見なさいよ!
 そういう理想論を語るところが、子供だって言ってるの!!」
 

 たたみかける様に浴びせられる田辺さんの言葉。


 私の心をかろうじて支えていたものが、粉々に砕かれた。 
 


 その場に立っていることが出来ず、私はがくんと膝をつく。
 



 田辺さんは1歩前に出た。

「これでよく分かったでしょ。
 いくらあなたが三山さんを好きでも、彼の負担なのよ。
 だから、身を引くべきだと思わない?
 ・・・・・・彼が好きならば、なおさら別れるべきよ」


 すっかり気持ちが折れてしまった私。


 田辺さんはこれまでとは打って変わって口調を和らげ、穏やかに語る。

 声も乱暴に叫ばれるよりも、私の心により深く刻まれる、彼女の言葉。



―――好きだからこそ、別れるべき・・・・・・?


 オルゴール館での女性2人の言葉。

 大橋君の言葉。




 そして。

 田辺さんの言葉が一斉に私に襲いかかってくる。
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