年下のカノジョ~あの子は高校生~
 地面の一点を見つめていた私の肩に、そっと置かれた田辺さんの手。
 

 ぼんやり顔を上げると、優しげに微笑む大人の女性。


 喉から手が出るほど、私が望む姿だった。




「あなたはまだ若いわ。
 今、無理して大人の男性と付き合うことなんてないのよ。
 ・・・・・・彼に、迷惑をかけたくないでしょう?」
 


 驚くほど優しく問いかけられ、私は不覚にもうなずいてしまった。


「正和さん・・・・・・。
 正和さん、大好き・・・・・・」
 
 ポロポロと泣きながら、つぶやく。




「その大好きな彼のために、あなたは何をするべきかしら?」

 意識が混乱する私は、田辺さんの巧みな誘いに引き込まれてゆく。


―――正和さんにとって迷惑だとしたら、私は私を許せない・・・・・・。


「難しいことじゃないわ。
 彼のことを思えば、答えはすぐに出るはずよ」


 形のいい瞳を緩やかに微笑ませ、田辺さんが言った。
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