年下のカノジョ~あの子は高校生~
64】排除(5)
≪SIDE:由美奈ちゃん≫


 私は座り込んだまま動けずにいた。


 田辺さんの姿はもうとっくにない。



 1人ぽつんとうなだれている私の耳に、駆け寄ってくる足音が。

「由美奈ちゃん!!」


 声がした方にのろのろと顔を向けると、正和さんがコックコートのまま走ってくるのが目に入った。



 焦点の合わない視線で彼の姿をどうにか捉える。

「あ・・・・・・、正和さん」


「“あ”じゃないよ!
 こんな所に座り込んでどうしたの?!」


 私の腕を取って立たせてくれるけど。



 完全に脱力した私は、自力で立っていられない。


 すぐにその場にへたり込む。



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