今夜、俺のトナリで眠りなよ
 一樹君の腰骨にぴったりと私の腹部がくっつく。

「そうよ。間違ってる。離して」

「嫌だ……って言ったら?」

「嫌だって言っても、離して」

「それは困ったな」

 全然困った表情などしていない一樹君が、私をお姫様抱っこするとベッドへと近づいて行く。

「ちょ……何をする気?」

「何って、ナニでしょ」

「何を考えているの? 私はあなたの義理の姉なのよ」

 ベッドまで来た一樹君が、クスクスと笑いだした。

「義理の姉である前に、女でしょ。んで、俺は男。ここはホテル。男女が密室で居るなら、することは一つしかない」

「待って。一つじゃないわ。もっとたくさんある。そうよ! たくさんあるはずだわ。考えましょ。ね? 一緒に考えれば……」

 ドサッと私はセミダブルのベッドに落とされた。

 ふかふかのベッドに、バウンドする私の身体を、一樹君が上から押さえつけた。
< 3 / 135 >

この作品をシェア

pagetop