【短編】こんなものいらない
「先輩!マジでいい加減にしてくださいよ。仕事中なんすよね先輩」
「ちぇー。ちょっとからかっただけじゃん」
「人の彼女にちょっかい出すほどあんた飢えてないでしょ」
慶太は怒りながら西村さんに絡まれていたあたしの手を解く。
不謹慎かもしれないけれど、ヤキモチかもしれないと思うと、嬉しかった。
「里奈も!そういうのはちゃんんと断る」
「あ、ごめん…」
西村さんに次いであたしにも慶太の怒りを浴びせられ、嬉しい気分がおちる。
「お会計735円になりまーす」
明らかに気だるそうな声で接客する西村さん。
本当に店員なんだろうか。
「もうくんなー」
「ちゃんとしてくださいって。行くよ里奈」
「あ、うん」
そう言って慶太の後を歩いて、ファミレスを出た。