【短編】こんなものいらない
 
「先輩!マジでいい加減にしてくださいよ。仕事中なんすよね先輩」

「ちぇー。ちょっとからかっただけじゃん」

「人の彼女にちょっかい出すほどあんた飢えてないでしょ」


 
慶太は怒りながら西村さんに絡まれていたあたしの手を解く。

不謹慎かもしれないけれど、ヤキモチかもしれないと思うと、嬉しかった。



「里奈も!そういうのはちゃんんと断る」

「あ、ごめん…」

 
西村さんに次いであたしにも慶太の怒りを浴びせられ、嬉しい気分がおちる。



「お会計735円になりまーす」



明らかに気だるそうな声で接客する西村さん。

本当に店員なんだろうか。

 
「もうくんなー」

「ちゃんとしてくださいって。行くよ里奈」

「あ、うん」

 
 
そう言って慶太の後を歩いて、ファミレスを出た。
< 23 / 31 >

この作品をシェア

pagetop