【短編】こんなものいらない
「あ、車で来てたんだ」
「うん」
駐車場確認すればよかった、と今更思う。
まあ、会えたんだから結果的には良かったんだけれど。
あたしは助手席にに乗り込み、シートベルトを締める。
ファミレスを出て、道路を走り始めた車。
その中で、あたしはちらちら慶太の横顔を見ていた。
「…なに?」
「んーん、何でも」
そう答えると、あそ、と言って運転に集中する慶太。
だけど、何も無いわけが無い。
こうして慶太の車の助手席に乗るのは、何ヶ月ぶりだろう。
こうして、横顔をこんなにも近くで見られるのも。
背もたれに身を預けて、慶太見る。
以前はこんな事、沢山あったのに。
新鮮な気持ちになって、頬が熱を持つ。