今までの自分にサヨナラを
通話の終わったケータイが、乾いた音を響かせ、たたまれる。
閉められたケータイはキラキラとランプが光り、その上に大粒の雫が落ちた。
お母さんを責めることしかできない自分が、ひどく情けない。
彼の声は、心は綺麗すぎて、私は汚してしまいそうだ。
彼の心は白い光に溢れてみんなを照らすけど、私は人を憎んで羨むことしかできない闇でいっぱいだから。
そんな光も飲み込んで、闇にすぐ消えてしまうんだ。
その瞬間、聞き慣れたリズムの小さな足音が聞こえてきた。
私は急いで手の甲を押しつけるようにして、涙を拭いとった。