オレ、トーフ。【短】
気持ち良さそうなポカポカの陽気に惹かれて、お気に入りのブランケットを咥えながらベランダに近付く。


2歳になった今もオレの体は小さくて、この大きなブランケットを引きずるのは一苦労だ。


「トーフ、どこ行くの?」


そんなオレを見兼ねてなのか、ユズハがオレに尋ねた。


「アンアンッ!」


元気良く『ベランダだぜ』って答えてみても、ユズハにはどうもオレの言葉が伝わらないらしい。


「アンアンッ!」


小首を傾げたユズハにもう一度訴えたけど、ユズハは不思議そうな顔でオレを抱き上げてしまった。


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