ヘタレ王子とヤンキー姫
春樹は深いため息をついて、俺のほうを見る。

犬かよ…。

「…はぁ…モテるんだよね。」

…はぁ!?

なんだこいつ。

「何で樺音はあんなにモテるんだろう?」

そういうことか。

また『ママがぁ〜』とか言い出すのかと思った。

「お前だってモテるんだよ。ただお前が絡まれるのは、弱いからで、樺音が絡まれないのは、みんな樺音にびびってるから。だから気づかないだけ。影でキャーキャー言うぶんには、樺音は何も言わないからな。」

「そうかなぁ…。」

そうだよ。

無自覚ってやつか。

「樺音最近よく携帯つついてるけど…。」

それは俺も知らねぇ。

「気になるなら本人に聞いてみろよ。影であれこれ推理したって、真実なんかわからねぇんだからさ。」

何気なく部屋を見渡すと、写真が目に止まった。

春樹も気づいたみたいだ。


樺音の横に男が一人…。

誰だあいつ?

春樹の顔がこわばっていく。

まさかの浮気!?
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