ヘタレ王子とヤンキー姫
あの事件から1年が経ち、樺音は未だに荒れていた。

気に入らないものがいれば喧嘩を売り、死ぬまで殴り続けた。

その日もいつも通り、なんにんもの男相手に喧嘩をしていた。

相手は強く、思った以上に苦戦していた。

最後のヒトリが気を失ったときその人は現れた。

「やめな。死ぬぞ。」

後ろを見るとそこには、買い物袋を下げた主婦がたっていた。

「なんだババア?」

樺音はその人を見て、瞬時にヤンキーだと察した。

「お前ヤンキーだろ?俺と勝負しろ。」

「ついてこい。」

その人は、それだけ言うと先に歩き出した。

樺音がついていくと、なぜか家のなかにいた。

「痛いだろうがじっとしてろ。私にもあんたくらいの息子がいる。だからあんたは娘みたいなもんだ。」

その人は樺音の手を見て、微笑みかけた。

「あんたいい拳もってんじゃん。その拳使い方を変えてみねぇか?」

「あっ?」

「喧嘩するななんて言わないよ。けどさ意味のない喧嘩なんて、何か虚しくないか?拳はいざってときに出すもんだ。普段はしまっておけ。

その人の服から見えた、方の入れ墨は、揚羽蝶らしきものだった。

「あんた夜蝶?」

その人は、にっこりと微笑んでいった。

「あんたがホンとの拳の使い方を見つけたとき、教えてやるよ。」

それが闇の女王誕生の瞬間だった。
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