ヘタレ王子とヤンキー姫
なかなか戻ってこない樺音と春樹を3人は心配していた。

「樺音のやつ、何やってんだ」
「なんかさっきバンっておとがしたよね?」

「行ったほうがよくねぇか。

3人は音がした洗面台の方へ向かった。

中の様子に耳を済ませると、春樹の短い悲鳴が聞こえてくる。

「樺音のやつ何やってんだ。」

「なんか考えがあるんだろうけど。」

「なんで助けを呼ばせようとしてるんだ?」

「さぁ?」

理名にはその理由がわかっていた。

春樹は大切な人には、心配をかけないようにする。

それが樺音は気に入らなかったのだろう。

大切だから守りたい樺音。

大切だから心配をかけまいとする、春樹。

大切な誰かを思う気持ちは同じなのに、その気持ちは、すれ違うばかり。

理名がその考えを二人に話すと、二人とも納得したようだった。

突然整脈を裂くように、春樹の叫び声が聞こえた。

「助けにいくべきかな?」

「いやっもう少し様子を見よう。」

3人は、再び中の様子に耳を澄ました。
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