ヘタレ王子とヤンキー姫
中学生の颯太は優等生だった。

成績も、1位2位を争うような優秀さだった。

それに人望もあつく、いつも誰かに囲まれていた。

そんな颯太と、敵対していたのが、颯太のクラスの問題児、前垣廉だった。

授業妨害をしては、楽しんでいるようなやつだった。

そんな彼はもちろん、教師たちから、目の敵にされていた。

「前垣、うるさいぞ。」

「うるさいのはどっちだよ?ゴリラおやじ。」

「お前だよ前垣。」

「何だ坪井?もっぺんいってみろやコラ」

「騒ぎすぎて耳がいかれたか?お前だっていったんだよ。」

こんな風に、いつも颯太と廉は喧嘩ばかりしていた。

「前垣、教室から出ていけ。」

「んだぁ〜?」

「まぁ先生、こんなやついていないようなもんですから、怒ったところで、時間無駄にするだけですよ。」

「そうだな。」

颯太が間にはいれば、どの教師も、怒るのをやめて授業を再開した。

そのときの颯太は、それだけ信頼があつかった。
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