ヘタレ王子とヤンキー姫
恵美は、颯太を見るとかけよって抱きついた。

「颯太!!」

颯太は恵美の髪を撫でた。

「一人にしてごめんな。」

「怖かったんなら素直にそういえよ。」

「うっさいバカ!」

茶化す樺音に恵美が反論する。

「ありがとう由衣。由衣のお兄さんも、ありがとうございました。助かりました。」

「ホントは喧嘩してるときに行きたかったんだけど、あいつに待ってくれって止められてさ」

由衣の兄が指差したのは颯太だった。

「サンキュー颯太。」

颯太はニヤリと笑った。

「もう少し遅かったら助けるとこだった。」

由衣の兄がそういった。

「由衣…この前はごめん。」

「ううん…私こそごめん。」

「兄貴として謝るよ。すまなかった。妹が迷惑かけて。」

樺音と由衣は、2年の時を経て和解した。
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