ヘタレ王子とヤンキー姫
樺音は指をならすと、立ち尽くしている豊を思いきり殴り飛ばした。

豊は背中から落ちた。

樺音は豊の胸ぐらを掴むと起き上がらせた。

「次同じことやったら殺す。それが嫌なら永遠に俺たちの前から消えろ。」

豊は逃げ出した。


由衣と由衣の兄、男たちも帰っていった。

残ったのは、樺音、颯太、恵美、春樹だった。

公園内に夕日が差し込む。

地面は、まだ濡れていた。

「雨でも降ったのか?」

「涙雨?」

樺音は、理名に電話を掛けた。

ツーコールで理名が出る。

「樺音か?おわったんだな?春樹は無事かい?」

「すみませんでした。俺が油断したばっかりに。」

「そうだな…樺音には制裁を受けてもらおうか?落ち着いたら帰ってこい。」

「はい…。」

樺音は電話を切った。
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