ヘタレ王子とヤンキー姫
樺音は、笑って答えた。

「お前ら何言ってんの?ありきたりなんてつまんねぇ。逆だから楽しいんじゃねぇか。恋愛の価値観なんて、人それぞれだろ?これが俺の恋愛の形。それに俺女の子扱い嫌いだし。」

「確かに樺音らしいな。」

「言われてみれば、男に守ってもらう樺音てなんか嫌だね。」

「わかる!なんかキモい(笑)」
「じゃぁうちも次からは、優のこと送ったげるね。」

友人たちの中の女の子が優と言われた男の子に言った。

「いやっお前危なっかしいからいいわ。」

「ひどくない?」

周りが笑いだす。

「じゃぁ私颯太送る〜。」

「お前も危なっかしい。」

颯太も、空気をよんだのか、本音なのか、同じ答えを返した。

「もう颯太嫌い〜。」

「いいよ俺もお前嫌いだし。」

恵美が固まる。

「嘘だよ、バーカ。」

「もう…。」

「いちゃついてんなよバカップル。」

「うぜぇ。」

盛り上がる友人たちを、差し置いて、樺音は歩き始めた。

春樹は、みんなに手を降って、樺音を追いかけた。

「春樹バイバーイ。」

「また遊ぼうね。」

みんなも春樹に手を降って見送った。
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