先輩の恋人[先輩の妹:番外編]
「すぐ終るから黙ってろよ」
男は私の口を片手で覆うとそう耳元で囁いた。
男で塞がっていたぼやけた視界が開け広がると、私と男の後ろに何人か男の仲間らしき人がいるのが見えた。
………終わった、と思った。
ここで黙ってヤられたほうが傷を負わないかもと最悪の考えが酔った頭に浮かんだ。
ただ、でも、涙がでた。
今日二度目の涙。
自然と彼の去っていく姿が思い出される。
……なんで、こんなことばかり…………。
「……あれ?おとなしくなった。いい子だね」
男が独り言のように私に話しかけると、後ろの仲間らしき人たちがせかすように何か言った。
それに促され男もベルトに手をかける。